人生が変わる!マインドフルネスを続けた結果

マインドフルネスとは、「今、この瞬間に意識を向け観察する」こと。 1979年アメリカのジョン・ガバット・ジン博士が考案したもので、瞑想と心理学の手法を組み合わせ、臨床的な技法として体系化したプログラムです。 約8週間のプログラムを実践することで、心理的な変化が起こり、ストレス軽減や集中力、仕事効率の向上を実現することができます。世界的ブームでもある「マインドフルネス」を行うことで、どのような効果が得られるのか、またマインドフルネスを続けた結果、何が起こるのかを科学的な見解も含めてお話します。
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今、世界中で注目されている「マインドフルネス」。

世界的ブームとなっているヨガは、マインドフルネスの習得を主体としたプログラムで構成されています。

また、様々なビジネスシーンで、マインドフルネス習得のためのプログラムを取り入れられていたり、医療や心理療法の現場でも、その効果が認められているようです。

そんな「マインドフルネス」ですが、続けていくとどのような効果があるのか、また、続けるためにはどうしたらよいのか解かりやすくご説明していきます。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、一言でいえば「今、この瞬間に意識を向け観察する」こと。

1979年アメリカのジョン・ガバット・ジン博士が考案したもので、瞑想と心理学の手法を組み合わせ、臨床的な技法として体系化したプログラムです。

約8週間のプログラムを実践することで、心理的な変化が起こり、ストレス軽減や集中力、仕事効率の向上を実現することができます。

マインドフルネスの考え方は、東洋仏教の瞑想の考え方が由来となり、3000年の歴史があると言われています。仏教本来のマインドフルネスの定義は、特に達成すべき目標を持たずに「今、この瞬間に意図的に意識を向け、評価をせずに、ただ観る」という状態のことを継続することを言います。

マインドフルネス実践の内容としては、エクササイズ・呼吸法・静座瞑想法・ボディスキャン・ヨーガ瞑想法・日常瞑想訓練・歩行瞑想からなり、「今」に意識を向けるための訓練プログラムから構成されています。

一大ブームとなったマインドフルネス・ムーブメント

仏教思想を基に考案されたマインドフルネス瞑想ですが、ジョン・ガバット・ジン博士は、一般大衆に受け入れてもらうために宗教色を排除した実践プログラムを考案しました。

これがアメリカで人気となり世界的なムーブメントとなっています。

マインドフルネスの特徴は、日常生活の中で気軽に取り入れられるところで、マインドフルネスを続けた結果、具体的に変化を体感できるところです。

マインドフルネスが脳のトレーニングとして有効であるとして、多くの大企業やビジネスマンの間で実践されるようになってきました。

これは、インターネットの普及とも深く関連しているといわれ、あらゆる情報過多の時代の中で集中力を高める手法として、とても効果的だったからと言えます。

マインドフルネスの効果とは?

具体的にマインドフルネスを行うことで、どのような効果が得られるのでしょうか。

  • 集中力の向上
  • ストレス軽減
  • 鬱の改善
  • 生産性の向上
  • 直観力が上がる
  • 記憶力が向上する
  • 理性的に物事を判断できる
  • 共感力が高まる
  • 免疫力が上がる
  • 自己実現が早まる

慌ただしい日常の中で静かな時間と取って、ただ座る・・というのが瞑想のイメージですが、単にストレスを軽減するだけでなく、考え方や生き方を変えるきっかけとなります。瞑想は脳にダイレクトに影響を与える為、心身ともに良い影響を受けるといわれています。過去の経験やトラウマによってとらわれていた自分を解放することができ、人生を豊かにするツールとなります。

マインドフルネス瞑想がもたらす科学的変化について

ヨーガや瞑想は、何か神秘的なもの、うさんくさいもの、怖いものとという認識をまだまだ持っている方も多いかもしれませんが、実はその効果は科学的に実証されてきています。

脳内の血流を観察できるfMRI(機能的時期共鳴断層撮影)という機械で瞑想中の脳を観測したところ、様々なことが明らかになってきました。順番にご説明していきます。

1. 副交感神経の優位性

ヨーガや瞑想では、ゆったりとした呼吸で行います。呼吸の中でも「呼気」、つまり吐く息に時間をかけることで、リラックスしたときに優位になる副交感神経が刺激されます。また、一定のリズムで呼吸を行うことで、幸福感を感じる「セロトニン」というホルモン物質が分泌されるため、安心感やリラックスを感じることができます。

2. デフォルトネットワークの働きを制御

脳の内側前頭前野や後部帯状回から構成される「DMF」(デフォルトネットワーク)という回路があります。これは、人間が次の行動を起こすための準備として働いている回路なのですが、過去の経験や記憶をもとに「失敗しないように」と発動する回路です。

通常時は問題回避のために役立つ回路なのですが、ひとたび暴走を始めると、過去の失敗を悔んだり7割近くがネガティブな思考に陥ってしまいます。

しかし、瞑想を行うことで、脳の司令塔と言われる前頭前野が働き、「DMF」の働きを抑制することができることがfMRIによって明らかになっています。

何かに意識を向け続ける、いわゆる「集中」している脳の状態は、過去の後悔や将来への不安を考えることができないため、精神を安定することがでいます。

3. 扁桃体の働きを抑制

動物や人間には、大脳の中に本能に忠実な働きをしようとする扁桃体という部分があります。これは、「闘争・逃走」を司る器官で、敵を見たら戦うか逃げるか瞬時に決める機能を持っています。動物的な本能として、とても重要な役割を担う半面、問題視されれうのは「情動」に大きく影響される点。この働きが高まると、「敵が来るのではないか、襲われるのではないか」と、常に不安に怯えることになります。そのため、ずっと心配し続ける状態が続くため、心身は強張り精神的に疲弊した状態となってしまいます。

しかし、瞑想によって前頭前野が働くと、扁桃体の働きが抑えられるため、不安や心配を減らすことができます。

4. 前頭前野を活性化

脳の前頭前野は、脳の司令塔と言われ、「今、何をするべきタイミングか」を客観的に判断する機能を持っています。感情や情動に左右されず合理的な判断をするということは、理性を育てるということ。理性的に物事を見ることができると、自分の感じる好き・嫌いの感情と距離を置くことができ、ありのまま物事を受け止め、瞬時に判断できる直観力も養われます。そうすることで、周りと比較することなく不安や焦りの感情も減っていきます。

また、前頭前野の左側にはストレスを軽減する機能があります。ストレスが免疫力を低下させる要因になるため、ストレスフリーによって免疫力が上がり、幸福感も増す効果が期待できます。

5. 島皮質を刺激

脳の後部帯状回というところに、島皮質という場所があります。

島皮質とは、何かに集中しているとき、集中力が切れたことを教えてくれるシグナルを発します。そのため、一旦集中力が切れても、再び集中状態に戻ることができます。

また、島皮質は人に共感したり、身体感覚を受け取る機能があります。自分に合わないものや苦手なものに遭遇した時、筋肉が緊張したり呼吸が浅くなったりしますが、そのような身体のシグナルをキャッチすることができます。自己認識が高まることで、本来の自分を理解できるようになれば、他人のこともきちんと見ることができるようになります。そうすることで共感力も高まり、良好な人間関係を形成することができるようになります。

6. 海馬を活性化

記憶の貯蔵庫と言われる「海馬」も、瞑想によって活性化することができます。

海馬は、前頭前野が「これが大事」と判断したときに放出されるドーパミンを取り込むことで記憶をスムーズに貯蔵することができます。瞑想で前頭前野の働きが活性化することで記憶力を上げることができます。

マインドフルネスを続けた結果起こること

マインドフルネスをすることで心が整い、脳が鍛えられるので様々な変化がおきます。マインドフルネスを続けた結果、具体的にどんな変化が起こるのでしょうか。

物事に対する考え方が大きく変わる

マインドフルネスを続けることで、理性的な物の見方ができるようになります。私たちは1日におよそ6万回の思考をしていますが、何かを見たり聞いたり感じたりして起こる思考を司る認知プロセスは過去に影響を受ける傾向にあります。過去の経験による思い込みや先入観、固定概念は、体験としての「過去」に過ぎず、「今」現状の事実とは異なる場合が多くあります。瞑想を続けることで、現状を客観的に理解し、理性的に対応できるようになるため、過去にとらわれることなく現状の良し悪しを素早く判断できるようになります。それにより、今までとは違った捉え方ができるようになったり、本来の自分の心に正直になることができます。今まで苦手だと思っていたことが、実は得意なことだと気づいたり、嫌いだと感じていた人がとても気の合う相手だったことに気づいたり。自分が本当は何が好きで、何をやりたいのか、自分自身の本質が、はっきり見えるようになってくるのです。

仕事効率が上がり、創造性も高まる

一点に集中するのがマインドフルネス瞑想の練習ですが、脳の回路は使えば使うほど強化される性質を持っているため、継続することで集中力を高める効果があります。

集中力が高まると、仕事の効率も上がり生産性が向上するでしょう。

また、脳の性質として、休ませるよりも使うほうがパフォーマンスが向上すると言われています。肉体は使い続けると疲れてしまいますが、脳は疲れることが無いからです。脳を使い続けることにより、脳が研ぎ澄まされ、直観力も冴えるため新しいアイデアが浮かんだりクリエイティブな発想ができるようになるのです。

自己実現が早まる

マインドフルネスを続けることで、自分自身への意識が高まります。

たとえば口腔や咽頭が乾燥していたら、乾燥の具合や部屋の湿度や温度を瞬時に判断して「喉が渇いたから、何か飲み物が欲しい」と合図を送ります。

その時の身体がおかれた環境から、自分にとって合うか合わないか、快適に感じるのか不快に感じるのか、身体は常にメッセージを送っています。

マインドフルネスを続けることで、些細な身体のサインを見逃さず受け取れるようになるので、自分に合わないものを選択する機会が減っていきます。

言い換えると、自分が心から望むことをしているとき、身体が非常にうまく働いてくれるので、「心地よさ」や「しっくりくる」といったポジティブな感覚を感じることができるのです。そのため、自分が本当にやりたいこと、達成したいことが体感として認識できるので、現実化を早める結果となるのです。

マインドフルネスを続けるために気をつけること

マインドフルネスを続けた結果、人生が180度大きく変わったという人がいるように、これまでの固定概念にとらわれない自由な自分の道を進むことができます。

そんなマインドフルネスを続けるためのポイントについてまとめてみました。

毎日少しづつ継続する

慌ただしい日常の中で、ほんの10分で目を閉じて静かな時間を取るように工夫することです。

初めから1時間瞑想をしようと思うと、なかなか思うように時間が取れなかったり、体調や急な予定により断念してしまう機会が増えてしまいます。長い時間を割くより、少ない時間でも毎日継続するほうが、結果的により長い時間の瞑想が出来るようになります。少ない時間でも、「できた」という達成感を味わうことで、「もっと頑張ってみよう」という意欲に変わり、続けることが楽しく感じられるようになります。

毎日、短い時間から実践してみるのはいかがでしょうか。

良い「ゴール」を設定する

マインドフルネスを続けた結果、本当の自分がわかるようになってきたら、ゴール設定を明確にすることもマインドフルネスを長期間実践する鍵となります。

5年後、10年後の自分がどのような環境でどのように生きていたいのか、できるだけ大きくてワクワクするようなゴールをイメージすることがポイントです。大きい目標やゴールが常に視界に入っていれば、それまでに必要なスキル習得などの努力を前向きな気持ちで取り組むことができます。現在ありきのゴールではなく、未来ありきの現在。これを意識することで、様々な苦労を乗り越えていけるモチベーションとなるのではないでしょうか。

マインドフルネスを習慣にして、より良い未来を手に入れよう!

いかがでしたか?

マインドフルネスを続けた結果、素晴らしい変化がもたらされることがお解りいただけたでしょうか。

様々な情報が飛び交う現代において、マインドフルネスとは、本来の自分を見つける「ツール」となります。

約4000年の歴史のあるマインドフルネス瞑想は、効果が実証されているので今日まで世界各地で継続されています。

変わらない人類の「叡智」を日常生活に取り入れ、自分らしく生きる素晴らしい未来を創造していきましょう。

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