毎日、満足のいく睡眠が取れていますか?
「なかなか寝つけない」「スッキリと目覚められない」「ぐっすりと眠れない」など、睡眠の悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
睡眠の質が低下すると、身体にダメージを与えるだけでなく、集中力・意欲の低下で仕事や活動にも大きな影響を与えてしまいます。
今回は、そんな睡眠の質を上げる7つの方法をご紹介します。
毎日、当たり前に行う「睡眠」ですが、身体を休ませる効果は勿論のこと、「脳」を休ませる効果があります。脳は、身体の2~5%の体重であるにも関わらず、消費エネルギーは全体の20%以上と言われています。そんな脳を休ませるのが「睡眠」という行為となります。
睡眠不足は、生活習慣病のリスクを高めたり死亡のリスクにも大きく関連するといわれています。
カリフォルニア大学で30歳~102歳までおよそ110万人を対象に行ったの大規模研究では、①6.5~7.5時間睡眠が最も死亡リスクを下げ、②それ以上、長すぎても短すぎても死亡リスクが高まる、という結果が出ているとのこと。
睡眠の質の向上は、生命予後にとって、大切な要素と言えます。
「質の良い睡眠」「良い睡眠」という言葉をよく耳にすると思いますが、具体的にはどのような条件を言うのでしょうか。まとめてみました。
昼と夜のメリハリがはっきりとできていて、覚醒のリズムが保たれている状態。人間には体内時計があり、夜になるとメラトニンという睡眠を促すホルモンが分泌されます。睡眠のタイミングを一定にすることで体内時計が正常に働き、質の良い睡眠が可能になります。
日中に眠気や居眠りすることがなく、日々の心身の状態が良好であること。睡眠の長さは関係がなく、自分にとって必要な睡眠時間が確保されている状態。
途中で目覚めることがなく、起床時間までぐっすりと眠りについている状態。
起床時に身体のだるさが残っていたり、2度寝・3度寝をすることなく、身体も頭もすっきりと目覚められる状態。
寝床に入ってから、だらだらと眠りにつくまで長い時間をかけることなく、すぐに眠りにつける状態。
睡眠時間には個人差がありますが、短い睡眠時間の場合でも、熟睡した満足感を得られている状態。
睡眠時間を充分に取っていたとしても、日中に疲れや倦怠感が残っていては、充足感や満足感を感じにくくなってしまいます。過度な疲労感がなく、活力のみなぎっている状態。
良い睡眠とは、規則正しい睡眠リズムと目覚めや入眠がスムーズな状態。
睡眠の質は、体温調整や体内修復に関係あるほか、成長に関わるホルモン分泌と関係があります。体内の代謝を促したり自律神経のバランスを整える重要な要素となるため、肉体や脳の疲労を取り除く効果が高いと言えます。
翌朝に疲れや倦怠感、眠気が残らず、日常生活が活力と満足感を感じながら過ごせる状態が「良い睡眠」と言えるのではないでしょうか。
現代病といわれる睡眠障害ですが、睡眠の質が下がる原因は人によって様々。
大きく分けて4つの要因があるといわれています。
就寝前にスマートフォンなどによる、ブルーライトが睡眠の質を低下させる大きな要因となります。脳から分泌される「メラトニン」というホルモンは、眠りを誘ったり細胞の新陳代謝を促す効果があります。ブルーライトを浴びることにより、このメラトニンの生成が減少され、眠気が弱まってしまいます。
無呼吸症候群とは、軌道が閉塞し、数秒間の無呼吸が続いてしまう症状です。いびきと無呼吸症候群が繰り返し起こると、一時的に無酸素状態となり心拍が高まってしまいます。結果的に心身が覚醒した状態になり、睡眠の質が低下してしまいます。
快適な睡眠を実現するには、自分に合った寝具を使うことが大切です。枕の高さやマットレスの硬さなどが自分の体形に合っていない場合、寝ている間に首や肩・腰の痛みが生じ、身体が緊張状態になってしまいます。そうすると、睡眠途中で目が覚めたり、深い眠りにつきにくくなっていまいます。
また、寝室の温度や湿度・明るさや音も睡眠の質を下げる要因となります。暑すぎず寒すぎず、40デジベル以上の音も、睡眠に良くない影響を与えるといわれています。
過重労働や精神的なストレスは、交感神経を優位にします。通常、就寝時は副交感神経が優位になりますが、ストレスが原因で自律神経のバランスを崩してしまうと気持ちが高ぶる交感神経が優位な状態のままで、なかなか寝付くことができないなどの睡眠の質を下げる原因となってしまいます。
睡眠の質が低下することで、高血圧症や糖尿病、脂質異常などの生活習慣病のリスクが高まると言われています。また、病気の悪化や進行が早まるといわれています。
日常生活においては、記憶力の低下や、判断力・集中力の低下や鬱など精神疾患病のリスクも高まり、早急な改善が必要となってくるのです。
昼過ぎまでゴロゴロ・・睡眠時間が長いからと言って、睡眠の質が高いとは言い切れません。
睡眠中は深い眠りの「レム睡眠」と浅い眠りの「ノンレム睡眠」を繰り返しています。
一晩の中で、レム睡眠とノンレム睡眠を4~5回繰り返していると言われています。
それぞれの特徴をまとめてみました。
基本的に筋肉は動かさないが、脳は活動している状態。夢を見るのはレム睡眠の時と言われています。眠りの浅い状態で、夜中に目が覚めてしまうのも、レム睡眠の状態です。
深い眠りの状態。脳の活動も停止しており、脳が休んでいる状態の時です。
ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りは最初の1~2回と言われています。
つまり、寝入ってから約3時間の間にノンレム睡眠に達すれば、脳も体も休まり「ぐっすり寝た」という充足感を得ることができるのです。
また、寝入ってから2~3時間後には「成長ホルモン」が分泌されます。
成長ホルモンの働きとしては「細胞の修復」「疲労回復」に役立つと言われ、皮膚や内臓の細胞を入れ替える「ターンオーバー」の働きも担っています。
また、明け方近くなると、成長ホルモンに変わり「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、体内に蓄えられた死亡をエネルギーに変換する働きがあり、体が目覚める準備を始めます。睡眠の質が低下していると、成長ホルモンが充分に分泌されないうちにコルチゾールが分泌されてしまいます。細胞が修復しないうちに目覚めの準備が始まった結果、睡眠不足だと感じたり、肌のコンディションが良くないという結果となってしまいます。
人間には体内時計がありますが、1日が24時間なのに対し、体内時計は24時間11分の周期だと言われています。そのため、放っておくと1週間に1時間以上、1か月で4時間以上ずれてしまうことになります。これをリセットして24時間に合わせることで、生活のリズムが生まれてくるのです。
体内時計をリセットする方法は以下のようになります。
朝起きたら、できるだけ早い時間に太陽の光を浴びることは大切です。睡眠ホルモンと言われる「メラトニン」は、朝に日を浴びてから14~16時間後に分泌が始まり、午後2時ごろに最も増えると言われています。朝日を浴びることで、夜になると自然な入眠を促すことができるのです。
朝食は体を目覚めさせる効果があります。体内時計を整えるためには食事もとても大切で、特に朝食を摂ることで内臓を目覚めさせる効果があります。できるだけ、朝日を浴びてから時間をおかずに朝食を摂ることがいいと考えられています。
では、実際に睡眠の質を上げるにはどのようなことを行えばよいでしょうか。
食後すぐに寝てしまうと、体は消化活動を優先するため、内臓を休める時間が短くなってしまいます。そのため、就寝時までに消化活動が終わるように、3時間前に夕食が澄んでいるのが理想です。内臓の休息時間が短いと、眠りが浅くなったり、疲れがとれにくくなったりします。
また、体を温める食事を選びましょう。人は体温が下がるときによく眠れるため、消火活動が終わり、食事で上がった体温が下がるタイミングで就寝するのが理想と言えるでしょう。また、食事から就寝時間が短い時は、消化の良い食事を選ぶようにしましょう。
熱いお湯は、体を覚醒させてしまうほか体への負担も大きくなるため、就寝前にはあまり適していません。38℃程度のぬるめのお湯に5分~30分浸かってみましょう。
体をゆっくり温めることで、1日の緊張がほぐれ、リラックス効果が期待できます。
温かい飲み物は、内臓をあたため体温上昇に効果的。体温が下がるタイミングで眠気がおとずれるため、睡眠前の習慣にするのがおすすめ。安眠効果を高めるノンカフェインのハーブティーや白湯、しょうが湯などがおすすめです。
特にカモミールには、心身をリラックスさせる効果が高く、古くからヨーロッパでは不眠対策に使用されていました。カモミールティーから立つ湯気は、鼻づまりにも効果的で、睡眠の質を下げる原因となる口呼吸を予防に効果的です。
就寝前のアルコールですが、一時的に眠りに入りやすいと言われていますが、実際は眠りが浅くなると言われています。利尿作用によって、トイレに行く回数も増える為、深い眠りを妨げる効果があります。
また、コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインは、睡眠の質を低下させると言われています。カフェインは、眠気を引き起こす神経伝達物質の1つ「アデノシン」の分泌を妨げる効果があり、脳が興奮状態になり寝つきが悪くなってしまいます。また、眠りが浅く、睡眠の質を下げる効果があるので、睡眠前のカフェインの摂取は控えるようにしましょう。
日中に運動をすることで、体の緊張を解きほぐし、適度な疲労感や倦怠感が自然な眠気を誘う効果が期待できます。生活リズムにもメリハリがでて、熟睡することが多くなるでしょう。しかし、動きすぎてオーバートレーニングとなってしまうと、脳が興奮状態になり眠れなくなってしまうので、自分の体力や生活リズムにあった運動強度で行うようにしましょう。
完全な無音状態よりも、自然に近い音を聴いていたほうが入眠しやすいことがわかっています。自然音やリラックス効果の高いヒーリングミュージックは、副交感神経を優位にし、高ぶった神経を鎮める効果があります。川のせせらぎや海の音、また、ゆったりとしたクラシック音楽など、お気に入りの音楽を見つけてみましょう。
休日に、2度寝、3度寝など、お昼過ぎまでゴロゴロしているような生活は、生活リズムを崩す原因となります。休日も普段と同じ起床時間を心がけ、就寝時間を一定に保つことは睡眠の質を高めるポイントです。
睡眠不足による生活リズムの乱れは、集中力の低下や作業効率を低下させる原因となりますので、気をつけましょう。
瞑想は、脳の活動を抑えるのに効果的です。ゆっくりと深い呼吸に集中することで、副交感神経が高まり、心も身体もリラックスすることができます。また、1日の活動で脳に蓄積されたデータを整理することもできるため、不要な感情やストレスを手放し、安心した状態で就寝できるため、質の高い睡眠が期待できるでしょう。就寝前の5分~10分程度、ただ呼吸に意識を向ける静かな時間を取ってみてはいかがでしょうか。
いかがでしたか?
睡眠の質を高めることで、仕事のパフォーマンスを向上させたり生活習慣病のリスクを低減することができます。
生活リズムが整うことで、毎日が健康的で、充実した日々を過ごすことができるでしょう。
今日から是非、試してみてください!