マインドフルネスヨガとは?実践方法とお勧めポーズ5選

2000年以降、世界的に一大ブームとなっている「ヨガ」。

現在、日本のヨガ人口は600万人と言われており、今後のヨガ人口は1600万人を超えると予想されています。インドを起源とするヨガですが、近年では様々な流派のヨガやスタイルが存在しています。

ヨガは、健康増進やストレス解消、シェイプアップに効果的として実践している方も多いかもしれませんが、他のエクササイズや運動との違いは「心に直接作用する」ということ。特に瞑想や呼吸法の練習は、精神を安定させ、「今この瞬間」に意識を向けることから、マインドフルネス効果が高いと言われています。

今回は、ヨガとマインドフルネスの関係についてお話します。

ヨガのルーツについて

ヨガの起源は、今から4500年ほど前のインダス文明の頃に誕生したと言われています。

ヨガの成立は、インドの諸宗教バラモン教、ヒンドゥー教、仏教、ジャナイ教の修行法だったとされています。特に祭儀を司る司祭たちが、神々と交信するための神通力を得るために開発された思想や実践方法として始まりました。本来は「ヨーガ哲学」と言われる哲学的な要素が強く、「ヴェーダ」と言われるヨガの経典には神々への賛歌や呪詩が記されています。

ヨガの発展と宗教的背景

「ヨガ」という言葉は、インドの公用語であった、サンスクリット語が語源とされています。実際は「ヨーガ」と発音し、「繋がり」「結びつける」という意味で、「心と身体を結びつけ、高次元の意識と融合する」という意味があります。

「アーサナ」と呼ばれる心身の鍛錬法を学び、身体の感覚器官をコントロールし、瞑想によって精神を集中し、身体と心を深く結びつけることが当時のヨガの目的とされていました。

紀元前3世紀ごろに書かれた「ヨーガ・スートラ」は、現在のヨガの形を体系化されたものとされています。ここには、心の保ち方や整え方、そのための呼吸法や瞑想の方法についてが記されており、現在ヨガで主流となっているポーズの練習法は記されていません。ポーズは、瞑想のための「座法」として記されているだけで、現代ヨーガと大きく異なる点と言えるかもしれません。宗教的な修行法であったヨーガの手法が、1970年以降にアメリカに渡り、宗教的要素が省かれ、エクササイズ要素が主流となって現在世界中に広がっているといわれています。

古典ヨーガの目的

ヨガの教科書とも言われる「ヨーガ・スートラ」には、ヨガの目的は「心の動きを止めることである」と記されています。心と身体のコントロールが出来るようになり、その動きを止めた時に「真の自分」が現れると言われています。この「真の自分」つまり「真我」に到達することで、あらゆる雑念や欲望から解放される「解脱」の近道で、それを目指すことがヨガの根本的な教えとなっています。

そのための手段として「瞑想」が有効で、ヨーガの練習の中でも最終方法として記されています。

ヨガとマインドフルネス

インドで僧侶の修行法として始まった「ヨーガ」ですが、1300年頃に身体の鍛錬法といわれる「アーサナ」と「呼吸法」を柱とする「ハタ・ヨーガ」が誕生しました。

その後、インドでヨガの科学的な研究が始まり、ヨガの科学的な効果が実証されてきました。そんな中、1970年代に、アメリカのヒッピームーブメントと一体化する形で「ヨガ」が世界中に広まりました。当時は「瞑想」がメインとされており、古典ヨーガの体系を受け継ぐ形でした。

その後1990年代に入り、アメリカのハリウッドセレブが中心となり、エクササイズとしてヨガを取り入れる動きが盛んになりました。宗教色を薄め、ヨガが心身の健康やストレス軽減、美容効果が高いと注目され、強くしなやかな身体作りを目指す健康法として取り入れられるようになりました。これが現代ヨガの形として世界中に広がり、拡大したと言われています。

一方で、1970年代に「マインドフルネス」という考え方が広がりました。考案したのは、アメリカのマサチューセッツ大学医学部の教授ジョン・ガバット・ジン博士で、仏教の瞑想法を軸に考案された瞑想プログラムです。博士は、宗教色を排除した8週間のプログラムを提唱し、ストレス軽減の効果が実証できたことから世界的に一大ムーブメントを起こしました。

「今ここ」に意識を向けるマインドフルネス

マインドフルネスの目的は「今、この瞬間」に意識を向けること。

過去や未来に囚われることなく「今」だけを重視することで、余計な不安や恐れを手放しストレスを軽減することができます。実践方法としては瞑想が一般的で、呼吸に意識を向け続けたり、移り行く意識をラベリングしていきます。マインドフルネスは、結果を求めず目の前で感じる思考や呼吸を客観的に観察することで、周りの環境に左右されず、ありのままの自分を知ることができるというメソッドです。

ヨガとマインドフルネスの共通点

エクササイズや美容効果が注目されがちの「ヨガ」ですが、本来の目的は瞑想によって本来の自分を知ること。ヨーガ哲学は、インドで生まれた様々な宗教のベースとなっています。マインドフルネスも同じくインドで生まれた仏教をベースとして考案されていることもあり、共通の目的ということになります。

そのため、ヨガを練習するということは、マインドフルネスの練習にもなり、身体を使ったダイナミックな瞑想法とも言えます。

ヨガのポーズは、日常生活では行わない独特な動きを必要とします。

ポーズを行うことによって、普段使わない筋肉が刺激されるため、脳が刺激され活性化します。身体から送られてきた神経回路は、無意識の領域である潜在意識に近い部分にあるため、顕在意識と潜在意識の壁を揺さぶることができます。そのため、余計な思い込みやこだわりが無くなりクリアな意識が浮かんできます。

ただ、ポーズの完成度や柔軟性を追い求めるだけでなく、身体の声を聴き、呼吸の状態を観察して行うヨガの練習は、マインドフルネスを高める絶好の練習方法と言えるでしょう。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスヨガの効果

マインドフルネスヨガを行うことで、柔軟性や運動不足解消などの効果と共に、マインドフルネスな効果も実感することができます。主な効果をご説明します。

1. 脳のストレスを減らす

人間の脳は、本来は2つ以上の物事を同時進行することが出来ないようになっていると言われています。しかし、携帯電話やパソコンの普及により携帯を見ながら食事をしたり、インターネットを見ながらお風呂に入ったりと「ながら行動」が増えています。これが脳に大きなストレスを与えていると言われています。マインドフルネスヨガは、「今この瞬間」にフォーカスを向けるので、余計な雑念や思考を止めることができ、脳のストレスを減らすことができます。

2. 感情に振り回されなくなる

ストレスの大きな原因は、「不安・恐怖・恐れ」の感情と言われています。

人は、日々の生活の中で過去に起こったことに後悔したり、まだ起きない未来に不安に感じたりすることでストレスを感じます。また、他人と自分を比較することで、焦りや怒り、哀しみなどの感情が生まれ、勝手な思い込みにより自分を苦しめてしまいます。

自分の「今」の状態だけに意識を向け、そこに何も判断せずに観察する「マインドフルネスヨガ」は理性を高め、自分に対して正しい判断をすることができるようになります。「自分は今、悲しい気持ちでいるんだな」と気づくことができれば、「なんで悲しいのだろう」と客観的に原因を追及することができ、解決へと導くことができるのです。

3. 集中力や洞察力を高める

一点に集中して行う「マインドフルネスヨガ」は、集中力を高める練習に最適です。最初は様々な雑念が浮かんだり、難しく感じるかもしれませんが、意識を内側に向け続けることで今まで感じなかった幸福感や満足感を実感することができ、結果的に集中力や洞察力を高めることができます。それにり、視野も広がり、周囲の人との円滑なコミュニケーションができるようになったり、状況を的確に判断して行動することが出来るようになります。

マインドフルネスヨガの実践方法

「今、この瞬間」を意識するマインドフルネスヨガの実践方法をご説明します。ヨガは身体を締め付けないゆったりとした服装で行いましょう。また周囲が気にならないように、携帯電話の電源はオフにしておくことをお勧めします。

また、ポーズや動きは簡単なものや、基本的なポーズを選びましょう。

1. 呼吸に意識を向ける

絶え間なく繰り返されている呼吸を観察しながらポーズを練習してみましょう。呼吸をコントロールせずに、ただ観察してみてください。

  • 呼吸のペースは速いのか?遅いのか?
  • 動きによって、呼吸の違いはあるのか?
  • 呼吸がどのあたりに入っていくのか?
  • 呼吸のペースは一定なのか、不規則なのか?

2. 身体の感覚に意識を向ける

呼吸を楽に続けながら、身体のパーツに丁寧に意識を向けていきましょう。無理に伸ばしたり使おうとせず、ありのままの身体の状態を感じます。

  • どこか痛みを感じていないか?
  • 重たく感じるところはどこなのか?
  • 呼吸が止まっていないか?
  • もう少し、動きを強めることができるのか?
  • 無理を感じる場所はないか?

3. 感情と思考に意識を向ける

ポーズや呼吸を行うことで、湧き上がってくる感情を観察し、全て受け入れていきます。無理にポーズを深めようとせず、その時に無理のないところでキープします。

  • ポーズによってイライラしていないか?
  • 全く別のことが浮かんできていないか?
  • 痛みによる悲しみなどの感情を感じていないか?
  • 過去のトラウマなどが湧き上がっていないか?
  • 楽しい、嬉しいという感覚が生まれてきたか?

身体や心の正しい声を聴き、それに対して良い、悪いの判断をせず、すべて受け入れることで、今まで気づかなかった自分の本質や性質に気づくことができます。また、周りの人を気にせず自分のペースで練習が進められるので、無理なく練習を続けられます。

是非、マインドフルネスを意識しながらヨガの練習を行ってみてください。

マインドフルネスヨガにおすすめのポーズ5選

自宅でも練習できる簡単なポーズをご紹介します。

1. キャット&カウ

  • 四つん這いになります。
  • 手は肩幅、足は腰幅に開きます。
  • 吸う息で顔を天井にあげ、吐く息で背中を大きく丸めます。
  • 5~10回繰り返します。

2. チャイルドポーズ

  • 四つん這いになります。
  • 吐く息で、お尻を踵に近づけて頭は優しく床に下ろします。
  • 特に腰や肘の力を抜き、身体をリラックスさせます。
  • 10呼吸キープします。

3. 橋のポーズ

  • 仰向けに寝て、両ひざを立てます。
  • 足は腰幅ぐらいに開き、両手は体の横に置きます。
  • 吸う息でお尻を持ち上げてポーズをキープします。
  • 余裕があればお尻の下で両手を組み、肩で床を押しながら膝が開かないように気を付けます。
  • 30秒キープします。
  • 吐く息で、両手をほどき、ゆっくりとお尻を下ろしてポーズを終わります。

4. 三日月のポーズ

  • 両足を閉じて立ちます。
  • 吸う息で両手を上げて、人差し指だけを伸ばして手を組みます。
  • 次の吸う息で、身体を右に倒し、左体側を伸ばします。
  • そのまま5呼吸キープします。
  • 吸う息で身体を戻し、反対側も同様に行います。

5. 開脚前屈ポーズ

  • 両手を広げ、足首が手首の真下に来るよう両足を広げします。
  • 足の小指の外側の面と、マットの外側の線を平行にします。
  • 両手を腰にあて、膝を伸ばしたまま、吐く息で前屈します。
  • 上半身が床と平行にるところまで一度前屈をして、余裕があれば前屈を深めます。
  • 30秒キープします。
  • 膝を軽く曲げ、吸う息で頭が最後になるように、ゆっくりと身体を起こします。
マインドフルネスとは?

マインドフルネスヨガで、しなやかな心と身体を手に入れよう!

いかがでしたか?

4500年続くヨガの歴史は、目まぐるしく変わる現代の中で「変わらないもの」を教えてくれます。

古代から、人間は感情によって振り回され様々な苦難を経験してきました。移ろいゆくものの中で唯一変わらないものが「真の自分」です。

マインドフルネスヨガは、情報過多の現代において、自分の内側の「声」を聴く、最良のツールだと思います。

是非、試してみてください。

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