マインドフルネスがワークライフにもたらす効用

単調な仕事にうんざりしたり、常に緊張を強いられる仕事に神経をすり減らしたり、繁忙期にストレスを感じたり…社会に出ると少なからずストレスを感じることがあります。そのような時も、今この瞬間を意識しながら、自分の感情を観察することで、ストレスに対処することが可能です。今回は、マインドフルネスのストレスやワークライフへの効用を探ります。
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多忙な仕事をこなしているうちに時間の感覚がなくなることがあります。いつの間にか思考も停止状態となり、仕事をしていない時でさえも仕事のことを考えていたりするのです。私たちの多くは、仕事を、その先にある楽しい日々を邪魔する耐えしのぶものとして捉えがちです。しかし、このように考えてしまうと、人生を味わうことなく、多くを見逃してしまうかもしれません。

瞑想がワークライフにもたらす効果

仕事をすることが、耐えなければならないことで、将来や生活のためだと考えるのではなく、喜びや活力をもたらし、自分を成長させてくれるものに変化させることは、不可能ではありません。単調な仕事にうんざりしてもっと良い仕事があるのじゃないか、今の仕事以外なら何でもいい、と思いながら求人リストを検索した経験はありませんか?仕事を変えなくても瞑想によって、本当に求めている安らぎや活力を生み出す意識を高めることができるのです。ワークライフにおける瞑想の直接的な効果とは、一体何なのでしょうか?

ストレスに上手く対処する

人生にポジティブなことや喜びを求め、苦しいことやストレスを避けたいと望むのは自然なことです。楽しい平穏な人生は誰しもが憧れるものでしょう。しかし、人生において最も価値ある学びを与えてくれるのは、実は苦労している時期です。苦しい時期を乗り越えるのは、簡単ではありません。とにかく解放されたいと願いながら、その場所に留まる忍耐力を持つことは、大変困難なことかもしれません。そのようなストレスに対処するために、私たちができることのひとつは、今この瞬間に意識を集中して、自分の感情を観察することです。

Uludağ大学で行われた研究によると、ヨガや瞑想などを通じて定期的にマインドフルネスを実践している人は、していない人に比べて、ストレスレベルを下げて、より収入の高い仕事についており、人生に対する満足度も高いとのことです。別の研究では、マインドフルネスに費やす時間が長くなるほど、幸福度が増して、ストレス対処能力も上がることがわかりました。

このような研究結果から考えても、忙しくてストレスを感じる日に休憩をとったり、たった数分でもマインドフルネスを実践することが大きな影響を与えるはずです。最初に、リラックスするための呼吸テクニックから始めてみてください!

心のレジリエンスを回復させる

どんな人でも、仕事がうまくいかない日を経験したことがあるでしょう。仕事以外のことでストレスを抱えているとき、職場での失敗や苦労が必要以上に大変に感じられることがあります。そんなときは、これは一時的なことで、永遠に続くわけではないことを理解し、自分のメンタルの忍耐力を高めてことが助けになるでしょう。ある研究は、職場でマインドフルネスを取り入れることで、メンタルヘルスや生産性を高めるという結果を示します。つまり、マインドフルネスを実践すれば、メンタルのレジリエンスが鍛えられるということです。

最初は、今感じているストレスが一時的なものだと信じることも、過酷で困難な状況を受け入れることも難しいかもしれません。でも、自分の身体と思考を非難することなく、観察するように心がけることで、受け入れる能力やレジリエンスを鍛えることができます。

劣等感と向き合う

仕事を通して、多くの人が力不足を感じたことがあるはずです。私たちは子供の頃から、障害を乗り越えて、目標を達成して、階段を登り続けてきました。自分は成功している、価値があると信じるためには、別の世界に踏み込み、成長を続けながら、他人より上に行かなければいけないという気持ちに追い込まれたことがあるかもしれません。特に昨今は、能力と成功を示すことは、より重要な判断基準となりました。成功したいと願うあまり、ありのままの自分を受け入れることが、難しくなってしまったかもしれません。

もし、あなたがこのような状況でも、心配しないでください。あなたは一人ではありません。あなたがどんな状態にあっても、あなたには価値があり、良い気分で生きる権利があることを忘れないでください。自分に対して思いやりの気持ちを持つために、言い訳や成功は必要ありません。劣等感が襲ってきたとき、瞑想が、自分の価値を思い出させてくれる安全な場所となることがあります。実践を繰り返すと、時と共に自分の全てを抱きしめて、受け入れることのできる場所に辿り着くことができます。劣等感に襲われた時も、より客観的に物事を観察しながら、自分自身に思いやりを持つことができるようになります。

もっと自由に休息をとる

休息の大切さに気づくのが遅すぎたという経験はありませんか?自分のニーズに対処することを先延ばしにしながら、無意識のうちにエネルギーを消耗しているのかもしれません。水を飲む、体を動かす、トイレに行く、などという最も基本的で生理的な身体的ニーズさえも無視してしまうこともあります。そのような時には、攻撃的になったり、神経質になったり、いつもの自分とは異なる反応をしたりする自分に気付くかもしれません。マインドフルネスを実践して、定期的に自分を見つめることで、自分のニーズをより具体的に認識できるようになり、対処することができるようになります。ほんのわずかな時間であっても、ストレスやイライラを感じたときは休むこと。それが身体的、精神的のニーズの両方を助けることになります。

仕事とプライベートの線引きを明確にすることで、必要なときに休む余裕が生まれます。在宅勤務をしていると、仕事とプライベートをきっちり分けてうまくバランスを取ることは難しいと感じる人も多いはずです。ある研究では、マインドフルネスとワークライフのバランス、そしてマインドフルネスと仕事の成績のポジティブな関連性を示しています。そして、この研究は、職場でのマインドフルネスと業績のポジティブな関連性、職場でのマインドフルネスと離職率のネガティブな関連性を示しています。つまり、マインドフルネスを実践すればするほど生産性が高まり、マインドフルネスの実践が少なくなるほど離職率が高くなるということです。

自分が許せる範囲を決める

職種や部署によっては、様々な人と常に連絡がつく状態にある人もいるでしょう。よく知らない人や、深いつながりを感じられないような人と関わる仕事をしている人もいるでしょう。人間関係の中でストレスを感じて、健全ではないコミュニケーション・パターンを確立してしまっていることもあるかもしれません。同僚や上司の反応や言動に一喜一憂して、自分の気持ちを表現したり、自分の許容範囲を維持したりするのが、難しく感じられることもあるかもしれません。

自分への思いやりや、受け入れることを実践していくことで、難しい人間関係の中でも自分らしくいること、自分自身と他人の許容範囲を尊重する中で、コミュニケーション・パターンを確立すること可能になります。あなたの同僚は、長所もあれば短所もある、あなたと同じ人間です。その事実に気付くことで、あなたを一喜一憂させた行動を、客観的な視点から評価することできるようになります。マインドフルネスを実践すると、自分自身を軸にして、自分が何を受け入れて、何を受け入れないのかを見極め、伝えることができるようになります。それによって様々な状況に名前をつけ、自分のニーズを明らかにして、はっきりとしたフィードバックを提供することができます。結果的に、快適な職場環境とチーム精神に貢献につながるでしょう。

注意力を向上させる

仕事のパフォーマンスに影響を与える大きな要因の一つが、集中力であることはご存知の通りです。2020年に実施された研究では、2年間マインドフルネスと注意力について教育を受けた学生が集中力できる時間に大幅な改善が見られました。マインドフルネスについて調べた別の記事では、マインドフルネスが集中や感情のコントロール 、知性や成績、問題解決プロセスに貢献するということを示す内容がまとめられました。これらの結果からも、マインドフルネスの実践が、幸せで、生産的かつ創造的なワークライフの扉を開ける鍵となることがわかります。

まとめ

仕事と自分のつながりを感じられなくなり、一時的にモチベーションや情熱を失うことは、誰にでも起こり得ることです。そんな時に大切なのは、自分自身に思いやりを持つこと、そして辛い状況が一時的なものだと思い出させてあげることです。ここ数週間を振り返って、今回紹介した内容で、あなたのストレスや苦しみを改善するために役立ちそうなものはありますか?まずは、自分のニーズを認識することが、改善への最初のステップだということを忘れないでください。

仕事に悩んだ時には、ぜひマインドフルネスとワークライフに関するコンテンツを読んで、モチベーションを取り戻してください!

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